飲みやすい焼酎を作る減圧蒸留

単式蒸留方式のうち、減圧蒸留は比較的近年に登場した方法だ。気圧が下がると水の沸点も下がるが、減圧蒸留ではこれを利用している。常圧蒸留では醪は90℃程度で沸騰するが、蒸留器内の気圧を下げると50℃程度で醪を沸騰させることができる。これによって、醪のやわらかな香りがそのまま活かされるほか、雑味成分が少なく、クセのない軽やかな味わいに仕上がるのだ。このように、減圧蒸留は本格焼酎の普及の一助となった。

クセが強い本格焼酎のイメージを一新

かつての焼酎は、強いクセのある独特の風味が特徴であったため、たくさんの人に受け入れられる酒ではなかった。しかし、減圧蒸留で造られた淡麗系でソフトな味わいの焼酎が、多くのファンを獲得し、近年の焼酎ブームを生み出した。

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